電気の供給に不可欠な『構内外線・地中化工事』の流れやメリットをご紹介

電気の供給に不可欠な『構内外線・地中化工事』の流れやメリットをご紹介

街中に電柱や電線がありますが、どのようにして取り付けられているのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。実は電柱や電線は、構内外線や地中化工事によって取り付けられているものなのです。

そこで今回は、電柱や電線を取り付ける構内外線・地中化工事の流れやメリットについてご紹介いたします。

構内外線とは

わたしたちの生活に電気は欠かすことが出来ません。電気を使用することが出来ているのは、電線によって電力会社から各家庭やビルなどへ電気が供給されているおかげです。電気は発電所で作られます。そこから各家庭などに電気を運ぶことが出来ているのは電線があるからです。その電線を敷設する工事のことを『構内外線』といいます。

基本となるのが、街中に電柱を立てて上空に対して配線を行う『架空配線工事』です。電線に触れてしまうと感電してしまう恐れがありますので、できる限り人や物に触れることがないように上空に設置しています。かなりの距離を運ぶ必要がありますので、たわみなどが発生しないようにすることと、分岐することも考えて一定間隔で電柱を設置しているのです。

新規敷設はもちろんのこと、定期的にメンテナンスも必要です。耐久性は高く作られているものの、常に雨風にさらされた状態となりますので、万が一にも漏電や断線が発生してしまわないように点検することで状態を維持しています。今となってはほとんどの場所に配線がされていますので、新規のケースは決して多くありませんが、まだまだ需要があるのは確かです。

構内外線工事の流れ

構内外線工事の基本的な流れは以下のとおりです。

測量

まずはスタートとなる発電所からゴールとなる送電先までの送電線ルートを検討する必要があります。そのためには検討しているルートが実際に配線可能かどうかを裏付けるための測量を行う必要があります。地形や自然環境などが大きく影響しますので、高低差なども考慮して確かめるのです。

測量の結果ルートが確定したら、CADシステムを活用して本格的な工事の設計を行います。資機材の輸送や置き場所、施工方法などを具体的な計画として落とし込み、計画書を完成させます。

仮設工事

計画書に従って工事を行うことになりますが、そのための準備となるのが仮設工事です。工事を始めるために必要となる資機材を現場へ輸送するための下準備となります。具体的には資機材の置き場所を確保し、そこに至るまでのルートを確実なものにしていくのです。

基礎工事

まずは鉄塔をしっかりと支えるための脚部分から取り掛かります。地面に深く据え付けるので、掘削機を使用して数十メートルほどの深い穴を掘って脚のための基礎づくりを行います。鉄塔や電線は基礎部分が最も重要です。

地上に出ている部分がどれだけしっかりとしていても、基礎がガタガタでは倒壊のリスクがつきまといます。据え付けの工事はシビアで大変ですが、ここをしっかりと処理することで非常に強固な鉄塔が完成するのです。

架線工事

基礎が完成したあとは組み立てを行い、あとはそれぞれの鉄塔や電柱に対して架線を行っていきます。ただ電線を張ればいいというわけではなく、碍子によって絶縁処理をし、振動や着雪防止の装置の取り付けも同時に設置していくのです。

地中化工事のメリット

架線といえば、電柱に対してのイメージを持っている方がほとんどではないでしょうか。しかし、電柱を立ててそこへ架線するのではなく、地中に埋めるようにして電気を供給する地中化でも可能です。地中化工事による具体的なメリットとしては、以下が挙げられます。

災害時のリスク軽減

地震や台風などの災害が発生した際に、電柱の倒壊リスクは常に存在しています。直接的に電柱にダメージがなかったとしても、看板など周囲の環境による影響を受けて倒壊する可能性もあるでしょう。電柱1本だけの倒壊であったとしても、すべて電線によって連結しているため、引きずられるようにして連鎖的に複数本がダメージを受けてしまいます。地中化にすれば、そうした状況がまず起きることがなくなります。

景観が良くなる

電柱が存在することが当たり前となっているいまでは気にならないかもしれませんが、もしも地上から電柱が全て姿を消したとしたら景観がとても向上するでしょう。電柱だけでなく電線もセットでなくなるわけですので、スッキリとした見た目になるからです。また、道路など街の設計も電柱や電線を度外視して行うことが可能ですので、自由度が広がります。

機能面の向上

電柱があることで、車道や歩道の幅もある程度決まってしまっています。たかが電柱一本なくなるだけでも有効幅員が広がりますので、歩道としての機能面が向上することになるのです。

地中化工事の難しさ

地中化することで多くのメリットがあるならば、全ての電柱を地中化してしまえばいいと思うでしょう。しかし、そうかんたんな話でもないのです。その理由としては以下が挙げられます。

費用面

地中化をする場合、地上での架線工事よりも多くの費用が発生することになります。まずは埋めるために現在よりもさらに深く穴を掘らなければなりません。そして、地中にはすでに水道管やガス管などが埋まっていますので、それらに干渉しないようにしなければならないのです。地域や方式によっても変動するものの、現在よりも3〜10倍ほど費用が上がってしまう計算となります。

権利関係

電柱は電力だけでなく、電話会社やケーブルテレビ会社などが共用しています。また、取り付けられている道路に関しても権利者は都道府県など異なるのです。全てをクリアにしなければならないため、かんたんには出来ない状況です。

まとめ

構内外線によって電力が行き渡っています。地中化することで景観が良くなるなどのメリットがありますが、すぐにでもできるわけではないのが現状です。しかし、確実に実現は可能です。「株式会社旭電設」では、構内外線や地中化工事を請け負っております。ご依頼を検討されている方は、まずは一度お気軽にお問い合わせください。